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ホーム水屋神報>173号(平成18年2月20日発行)
 

分社御神殿の旅立ちを安全祈願

宮 司

 フランス分社の御神殿は去る一月十五日、前日までの不順な天候がウソのような快晴に恵まれ、水屋の鎮守の杜の霊気を半年間、一杯に受けてフランスのブルゴーニュ州に向け旅立ちました。当日はフランス人真言密教寺院住職・融快・融仙師が願主となり安全渡航祈願祭が滞りなく執り行われました。禰宜の久保若菜と、正月帰国中のパリ大学六年生(大学院博士課程三年にあたる)在学中の神職・武部磨美さんも故郷の岡山市より祭奉仕に来てくれました。またこの祭への参列のため、広島、神戸、茨城からもわざわざ駆けつけてくれました。
 安全渡航祈願祭の様子は、「神社新報」など各種新聞紙上でも取り上げられました。また二十六日にも、鈴鹿市において同市鎮座・三宅神社の平井克司宮司により、同市運輸会社・三重トルキや志摩の運輸会社の南運送が願主となって、融快・融仙師そして鈴鹿市の主だった方々の参列のもと、安全渡航祈願祭が盛大に斎行されました。当社からは宮司と村瀬登総代長の二名が出席しました。「三重TV」のニュースや「鈴鹿CATV」で報道されました。こうして多くの方々に見送られながら分社の御神殿は無事フランスに旅立ちました。現地での再会を心から楽しみにしています。


フランス人杖道家・リュック・ブレル氏が、氏の所属する「BUDOXI」(パリ一区武道会―杖道、剣道、居合道などを行う会)のホームページに、「フランス水屋神社建立計画」について執筆・紹介して下さいました。仏文和訳は フランス在住神職、パリ大学六年生・武部磨美さんです。

久保憲一宮司(右)

〔 http://www.budo11.net/pages/article_jo.html
より転載 〕

特報! ヨーロッパ初の神社がフランスに!
二〇〇六年年三月二五日午前一〇時地鎮祭

 久保憲一氏は、祖父、父より受け継いだ三代目※宮司。氏は、ヨーロッパ初の神道の社がフランスに建立されることに、大変満足なさっています。五五歳の氏は、二人の子どもの父親であり、また、三重県に所在する鈴鹿国際大学の比較政治学(日米英)の教授でもあります。
 三月二五日の、神社建立に先立ち土地を清める儀式には、「BUDOXI」で杖道を学ぶ、我らが友武部磨美も参列します。彼女もまた神職です。

宮大工・石井久二氏と武部磨美さん

 フランスに建てられる神社は、宮大工石井久二氏の手により建築されました。この地鎮祭には、石井氏も参列します。氏は、久保宮司から、フランスに建立するための神社建築を依頼された際、「キリスト教の本場に、日本の神社を!?」と大変驚かれたとのことです。が、伝統技術を駆使してお造りになった神社をフランス人に紹介できることに、とても誇りを感じておられます。石井氏は、一七歳のときに大工職人の職に就かれ、神社・仏閣の建築に携わる他、一九七三年には、かの有名な京都の仏閣、知恩院の鴬張り※※の技術を解明し表彰された方です。

注)※ 水屋神社。三重県に鎮座する大変由緒ある神社。奈良の春日大社と伝統的にも歴史的にも縁が深く、後者と同じくアメノコヤネノミコトを祀っている。また、春日大社に浄水を捧げる役割を果たす神社でもある。
※※ 鴬張り。知恩院、また同じく有名な京都の二条城には、「鴬張り」と呼ばれる廊下があります。一見普通の廊下ですが、歩くと鴬がさえずるような音がします。侵入者が忍び込むのを防ぐため「忍び返し」とも呼ばれます。

右は武部磨美さん

 仏教寺院の傍に神道の神社が建てられることは、一見奇妙なことに思われるかもしれませんが、日本では、神道と仏教が調和して共存しており、何ら不思議なことではありません。
 此の度の地鎮祭は、「慎ましい」儀式ですが、神社建物を建立するに先立つ、土地を清めるための大変重要な儀式です。久保宮司、石井氏は、あなた方の参拝を大変楽しみにおられます。「神社建物はこのときには未だ到着しておらず、儀式は慎ましいものとなります。そのため、もし参拝者が少なくても仕方ないのですが・・・」と久保宮司。しかし、日本の武道を実践する我々や、日本の伝統文化に深い関心をもつフランス人にとっては、大変興味深い儀式となる筈です。また、この地鎮祭は、久保宮司や石井氏を始め伝統文化に携わっておられる日本の方々と交流できる大変希有な機会でもあります。皆さん、お誘い合わせの上、是非御参拝下さい。この地鎮祭を経て、この秋には水屋神社分社が建立され、分祠祭が行われることになります(次回の情報をお待ち下さい)。


奉納御礼 心から感謝申し上げます

・ 鈴鹿市の宮大工・石井久二氏から水屋神社に神明灯篭一対が奉納されました。神宮遥拝所に立てられています。
・ 先日、粥見のレストラン「べんてん」杉本徹氏からフランス分社に横笛一本を奉納していただきましたが、また水屋神社にも横笛一本が奉納されました。


第十六回 水屋の杜塾

一、 演題

茶の湯のはなし

二、 講師

飯島照仁(いいじまてるひと)氏
 一九五八年、群馬県生まれ。宝塚造形芸術大学大学院博士後期課程修了、芸術学博士 茶の湯文化学会理事、井田林業数寄空間研究室室長、宝塚造形芸術大学大学院、京都光華女子大学講師。
 東京電力科学情報誌『イリューム』に「茶の湯の空間」執筆。『茶室・露地 茶道学体系 六巻』(資料編共著・淡交社)を出版。『茶の匠―茶室建築三十六の技―』(淡交社)を出版。茶道誌『なごみ−和』(淡交社)に「茶室の石炉」「露地の石、その名称と役割」を執筆他
 実作例 村田製作所村田邸別荘茶室新築工事設計、フィンランド(スオメンリンナ要塞)茶室新築工事設計指導案、東本願寺鶴の間茶室改築工事設計指導、ポーランドワルシャワ大学茶室新築工事設計、そのほか多数の茶室と露地の設計デザインに携わる

三、 日時

二月二十六日 午後二時より

四、 場所

社務所

五、 参加費

無料

 

※ 資料等、諸準備のため参加者は前もってご連絡ください


今後の予定

◇ 「春季大祭」三月二十一日 午後一時より 終了次第「戦没者慰霊祭」 午後四時より投げ餅
◇ フランス分社地鎮祭 三月二十五日 午前十時よりフランス・ブルゴーニュ現地にて執行